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2025.02.19 

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最近のHDD事情について知ろう!



はじめに



読者の皆さんは、HDD(ハードディスクドライブ)を使用したことはありますか?

現在ではパソコンの主記憶装置としては、SSDが主流になっており、HDDのことをご存知でない読者の方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに最近はデスクトップPCでも、HDDを搭載できない物が増えており、個人レベルでは使用する機会が激減しています。

しかしHDDは現在でも生産・販売が続けられており、新技術の開発も進んでいます。

今回は最近のHDD事情について、解説していきます。




目次



1.HDDってどんな記憶装置なの?

2.最近のHDDの用途

3.最新技術「HAMR」搭載のHDD




1.HDDってどんな記憶装置なの?



そもそもHDDの原理や構造は、どのようなものなのでしょうか?

おおまかに言うとHDD内部は、データを記録するディスク(プラッタ)と、読み書きを行う磁気ヘッドで構成されています。

プラッタは1秒間に、4500~15000回転という高速で回転し、かつ磁気ヘッドとプラッタとの間は、約10nm(ナノメートル:1nm=百万分の1mm)というわずかな距離しかありません。

そのためプラッタには高い平滑性、表面強度、高剛性、耐衝撃性が求められ、ガラスやセラミックなど非常に硬い素材で作られます。

これらの素材は非磁性なので、表面に磁性体を塗ることで、情報を記録できるようになります。

かつては下図のように水平方向に磁化して書き込んでいました(LMRと呼ぶ)が、技術の進歩により、垂直方向に磁化するPMRが開発され、さらに記録密度が増加しました。

現在のHDDの転送速度は約200MB/S程度のようです。


参照や注釈

ハードディスク(HDD)の構造について”. Data Rescue Center.

https://www.rescue-center.jp/explanation/harddisk/structure.html (参照2025-01-15)

ハードディスクが物理的にデータを記録している仕組みがわかるムービー「How do hard drives work?」

Gigazine. 2015-11-04.

https://gigazine.net/news/20151104-how-hard-drive-work/ (参照2015-01-15)

スクリーンショット (123)



2.最近のHDDの用途



①個人での利用

前述のように一般的なパソコンの需要はSSDに移行しており、HDDの活躍の場は縮小していますが、大容量を求めるユーザーの間では、現在でも幅広く使用されています。

その理由には以下が挙げられます。


(1)価格の安さ

同容量のSSDとHDDを比較すると、4TBで約3.5倍、8TBで約7.5倍の価格差があります(2025年1月現在)。


(2)容量の大きさ

2025年1月現在に市販されているHDDの最大容量は24TBですが、SSDの方は最大8TBです。

また価格もHDD24TBの方が、SSD8TBより安価なのが現状です。

価格から考えると個人利用の場合、SSDを使用するのは(1台あたり)2TBまでが一般的と思われます。

対してHDDは6~8TBの物が最もコストパフォーマンスが高いので、高い転送速度を必要としないケースでは、十分に役立つでしょう。


➁データセンターでの利用

世界有数のHDDメーカーSeagate社によると、2025年第1四半期は、同社のHDDの総出荷量の90%を超える、128EB(エクサバイト:約1億3421万7728TB)が大容量HDDでした。

またドライブ1台あたりの平均容量は10.6TBと、明らかに個人ユースの容量とは異なります。

現在HDDの設置は、データセンターでの使用が多くを占めており、AIやエッジコンピューティングの土台となっています。

半導体メモリーやSSDは、そのアクセスの速さから、AIの学習やリアルタイムでのデータ処理に使用されます。

対してHDDには、即時アクセスの必要がない、大量のデータが保存されます。

HDDは容量、コスト、アクセス速度の3点のバランスが非常によく取れているのです。


参照や注釈

400ZB超のデータ量を迎えるAI時代では大容量HDDがますます重要になる

ITmedia https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2412/17/news158.html (参照2025-01-16)



3.最新技術「HAMR」方式を採用したHDD



前述のPMR方式での最大容量は、20TB程度で頭打ちの状態でした。

PMR方式のプラッタで使用されていた素材では、これ以上記録密度を上げるには磁気安定性に問題がありました。

しかし2024年に「HAMR(ヒートアシスト磁気記録)」方式採用のHDDが、製品化されました。

HAMR方式とはレーザーでプラッタを局所的に熱することで、より磁気安定性の高い素材に記録できるようになる技術のことです。

この技術により、より小さな領域に磁気を書き込むことが可能になり、プラッタ1枚あたりの容量を増やすことができます。

HAMR方式の実用化により、HDDのプラッタ1枚当たり3TB以上、HDD1台だと30TB以上の容量を実現できます。

新方式採用のHDDは、まずはサーバーやデータセンター向けに販売されるため、個人向けの販売はかなり先のことになるようです。


参照や注釈

ハードディスクドライブ(HDD)のデータ記録技術と大容量化

データスマート https://www.datasmart.co.jp/knowledge/hdd-recording-technology/ (参照2025-01-17)

Seagate、30TB超のHDDを今春出荷開始 PCWatch 2024-01-18 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1561825.html (参照2025-01-17)




まとめ



HDDは現在でも新技術が開発され、容量、データ読み書き速度ともに向上し続けています。

個人ユース、企業ユースともに、大容量が必要な場合には、重要な存在になるでしょう。

読者の皆さんも、用途によってはHDDの導入を、ぜひ検討してみてください!

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