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お手頃!10万円前後の3Dプリンター!
はじめに
読者の皆さんは、3Dプリンターを使用したことはありますか?
少し前までは価格や性能の面で、手が出なそうな製品が多かったかもしれませんが、最近では低価格帯のものでも、精度やスピードが向上してきています。
そこで今回は10万円前後の価格帯の、3Dプリンターをご紹介していきます。
目次
1.3Dプリンターの種類
2.3Dプリンターの選び方
3.10万円前後の3Dプリンターの紹介
1.3Dプリンターの種類
3Dプリンターは出力方法によっていくつか種類がありますが、10万円前後の価格帯では主に以下の2つがあります。
①FDM(熱溶解積層)方式
熱して溶かした材料を、ノズルから出して層状に積み重ねていく方式です。
造形速度が比較的速いこと、使用できる材料が複数あり、用途や特性によって使い分けできるのが特徴です。
細かい造形がやや苦手で、造形物によっては表面をやすり等で処理することが必要なことがあります。
➁光造形方式
液状の光硬化樹脂のプールに光を照射し、一層ずつ積み重ねていく方式です。
レーザーを照射するSLA方式と、面で露光するDLP方式とがあり、低価格帯の製品では後者の方式が多いようです。
きめの細かい高精細な造形が得られるのが特徴です。
使用する素材が紫外線に弱いものがあることや、人体に有害な液体を使用するためにメンテナンスがやや面倒なことが短所です。
FDM方式 | 光造形方式 | |
---|---|---|
造形速度 | 比較的速い | 比較的遅い |
造形の精細度 | やや低い | 高い |
造形後の処理 | 支持材の切り離し、やすり等での処理が必要なことがある。 | 支持材の切り離し、表面をアルコール等で洗浄する必要あり。 |
使用できる材料 | ABS、PLA、TPUなど | 光硬化樹脂 |
参照や注釈
最速の3Dプリンタ:FDM、SLA光造形、SLS 3Dプリントの造形速度比較 formlabs. 2024.07.04 https://formlabs.com/jp/blog/fastest-3d-printer/?srsltid=AfmBOoqU4Cdn8bIgLt6EX2slKtdSu4uR1Vm1sgSgRTvs0s_WeQQ0LALH (参照2025-02-28)
2.3Dプリンターの選び方
①高価格、超低価格製品との違い
今回ご紹介するのは10万円前後の製品ですが、数万円の製品、および30万円以上の価格帯の製品とは明らかな性能差があります。
主な違いは以下の通りです。
- 造形の安定性
- 使用できる材料の種類
- 操作性・メンテナンス性
- 造形できるサイズ
➁3Dプリンターの選び方のポイント
(1)どんなものを作りたいかを決める
フィギュア、アクセサリー、道具、治具など…、どんなものを作るかによって選ぶ製品が変わります。
模型やフィギュアなど高い精度が必要な場合は、光造形方式が適していますし、道具や治具など強度が必要な場合は、FDM方式が適しています。
(2)造形可能サイズ・精度・速度
どれくらいの大きさの物を、どれくらいの精度で、どの程度の速度で造形したいか、を選択しましょう。
実際には価格とこれらのバランスが、どの程度取れているかで、機種を選択することになります。
(3)対応素材
特にFDM方式の場合、低価格になるほど使用できる素材が限られてきますので、よく調べる必要があります。
高強度の素材を使用したい場合は、予算の再検討が必要な場合もあります。
(4)操作性、メンテナンス性(ハードウェア、ソフトウェア両面)
ハード面ではタッチパネルやライブカメラの有無、全体を覆うカバーの有無、ヘッドやノズルの付け外しのしやすさ、LCDスクリーンの掃除のしやすさなどが挙げられます。
ソフト面では使用できるスライサー(3Dデータを3Dプリンター用のデータに変換するソフトウェア)の、種類や操作性を調べましょう。
有料版、無料版、3Dプリンター固有の専用スライサーなどがありますので、使用したいソフトウェアが3Dプリンターに対応しているか、よく調べる必要があります。
(5)メーカーや販売店のサポート
3Dプリンターは精密機器ですので、故障や不具合がいつ発生してもおかしくありません。
また3Dプリンターという製品自体が、まだまだ発展途上の製品ですから、「ユーザーと一緒に開発していきたい」という姿勢を持つメーカー・販売店を選ぶといいかもしれません。
参照や注釈
安い3Dプリンターの魅力と選び方・注意点: 初心者のおすすめ低価格機種ガイド i-MAKER. 2023-12-08
https://i-maker.jp/blog/low-price-3dprinter-guide-33662.html (参照2025-03-03)
3Dプリンターの値段は? 家庭用・業務用に分けて解説 本体以外の費用にも注目 APPLE TREE 2025-02-13
https://apple-tree.co.jp/column/3d-printer-and-filament-price/ (参照2025-03-03)
3.10万円前後の3Dプリンターの紹介
①FDM方式
(1)FLASHFORGE Adventurer5M Pro
https://flashforge.jp/product/adventurer5m-pro/
造形速度 | 10 - 300mm/s |
---|---|
最大造形サイズ | 220×220×220mm |
造形精度 | ±0.2mm(ベンチマーク:100mmブロック) |
ノズル径 | 0.4mm(デフォルト)/ 0.6mm / 0.8mm / 0.25mm |
対応フィラメント | PLA / PETG / ABS / ASA |
※0.6/0.8mmノズル推奨:TPU / PLA-CF / PETG-CF | |
本体サイズ | 380×400×453mm(スプールホルダーを除く) |
スライサーソフト | FlashPrint |
対応OS | Windows:10/11 |
Mac OS:10.9以降 | |
Linux:Ubuntu 20.04以降 | |
通信方式 | Wi-Fi、イーサネット、USBメモリ |
タッチパネル | 4.3インチフルカラー |
動作音 | 通常:55dB / 静音モード:50dB |
造形速度の調整によって「高速造形・動作音大きめ」と、「中低速造形・動作音小さめ」が選択できます。
FDM方式では蒸発したフィラメントのにおいが気になることがありますが、本製品にはカバーとエアフィルターが付いています。
(2)CREALITY K1C
https://www.creality.com/jp/products/k1c-3dプリンター?spm=..index.header_1.1&spm_prev=..collection_04591955-22d4-49b1-85f2-030c32661683.announcement_1.1
造形速度 | 最大600mm/s |
---|---|
最大造形サイズ | 220×220×250mm |
造形精度 | 100±0.1mm |
ノズル径 | 0.4mm |
対応フィラメント | ABS/ PLA/ PETG/ PET/ TPU/ PA/ ABS/ ASA/ PC/ PLA-CF/ PA-CF/ PET-CF |
本体サイズ | 355×355×482mm |
スライサーソフト | Creality Print、Cura 5.0およびそれ以降のバージョン |
タッチパネル | 4.3インチカラータッチスクリーン |
こちらの製品もカバーとエアフィルター搭載、造形速度と動作音を調整可能です。
対応しているフィラメントの、種類が豊富なのが特徴です。
➁光造形方式
(1)ELEGOO Jupiter SE
https://jp.elegoo.com/collections/lcd-printers/products/jupiter-se
層の厚さ | 0.01-0.2mm |
---|---|
印刷スピード | 最大70mm/H |
Z軸精度 | 0.02mm |
XY解像度 | 51 x 51 μm (5448 x 3064) |
造形サイズ | 277.848mm(L)×156.264mm(W)×300mm(H) |
光源 | COB+屈折型光源(波長405nm) |
データ転送方式 | USB |
操作画面 | 3.5インチ 静電容量式タッチスクリーン |
本体寸法 | 479.9mm(L)*377.4mm(W)*657.5mm(H) |
LCD | 12.8インチ 6K モノクロ LCD |
スライスソフトウェア | Tango、ChituBox |
比較的大型の造形物を、出力できるのが特徴の製品です。
(2)Anycubic Photon Mono M5s Pro
https://skhonpo.com/products/anycubic-3dprinter-photon-mono-m5s-pro
Z軸精度 | 10μm |
---|---|
XY解像度 | 14K(13,312 x 5,120px) |
造形サイズ | 126.38mm(D)× 223.78mm(W)× 200mm(H) |
光源 | LEDマトリックスUV光源(波長405nm) |
データ転送方式 | USB(Type-A 2.0)、Wi-Fi |
操作画面 | 4.3インチカラーTFTタッチスクリーン |
本体寸法 | 290mm(L)× 270mm(W)× 460mm(H) |
LCD | 10.1インチモノクロLCDスクリーン |
スライスソフトウェア | Anycubic Photon Workshop 3.1 |
空気清浄機能が搭載されており、レジンのにおいを気にすることなく造形できます。
14KのLCD光源を採用しており、高精細な造形が可能です。
参照や注釈 ”【徹底比較】家庭用3Dプリンターのおすすめ人気ランキング 2025年3月mybest 2025-03-04
https://my-best.com/2237 (参照2025-03-06)
まとめ
自分だけの道具やフィギュアなどを、簡単に作れてしまう3Dプリンターは、ついつい欲しくなってしまうものですよね。
お手頃な機能と価格の製品がどんどん発売されていますので、読者の皆さんも本記事を読んで、ぜひ3Dプリンターに興味を持ってください!
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#光造形方式