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2024.06.14 

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医療業界でのメタバース活用事例5選



はじめに



「メタバースの医療への活用」といってもイメージが湧かず「具体的にどのような活用事例があるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、メタバースの医療・製薬業界への活用事例やメリットとともにわかりやすくご紹介していきます。

まず医療・製薬業界におけるメタバース活用のメリットとして、以下の6つが挙げられます。


①医師・看護師への研修への活用

②遠隔治療への活用

③リハビリ患者向けの体験型トレーニングへの活用

④アバターを介した診察による心理的障壁の低下

⑤患者の自身の健康態理解への活用

⑥医療従事者への情報提供への活用


これらを踏まえて、医療・製薬業界のメタバースへの取り組みについて5例ご紹介していきます。




目次



1.アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会

2.イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修

3.メディカロイド:3D映像技術を活用した手術支援ロボの操作

4.comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケア

5.mediVR:VRを活用したリハビリのサポート




1.アステラス製薬:バーチャルMRを活用した医療従事者への講演会



アステラス製薬株式会社は2022年に、各部署に散在していたデジタル関連機能を1つに集約した「デジタルコミュニケーション部」を発足し、メタバースを用いて行う情報提供方法の構築を開始しました。

企業のMR(医薬情報担当者)と医師・薬剤師の関係では、時間や場所に制限のないコミュニケーションへの移行が進むなかで、対面でのコミュニケーションの重要性も明らかになっています。メタバースを活用することで、新たなコミュニケーションの実現を目指す狙いがあります。

また、仮想空間上で医師向けのWEBシンポジウムを開催し好評を得るとともに、研究会・交流会を開催して参加者同士の偶発的な情報交換を狙うなど、現場でのリアルなコミュニケーションの再現を目指しています。


 参照や注釈 

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2209/28/news058.html

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=73672



2.イマクリエイト:VRを活用した注射手技の研修



新人の医療従事者が、実際の患者さんに注射の処置を行えるようになるための問題点として、定期的にトレーニング用品を補充する必要があることが挙げられます。また、多数の生徒が同時に練習することが困難であり、医療現場での悩みの種となっています。 そこでイマクリエイト株式会社は「実生活と同じように自分の身体を使って練習する」というコンセプトのもと、バーチャルトレーニングシステムを開発しました。 このバーチャルトレーニングシステムでは、VR内に表示される模型に従うだけで、筋肉注射の手順を感覚的に習得することができます。座学や教材を用いた事前学習に3Dシミュレーターを加えることで、手順の間違いや抜けを防ぐことが期待されます。 用具の補充の手間を省くとともに、いつでも多数の医療従事者が自由にトレーニングできるシステムとして注目を浴びています。


 参照や注釈 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000034298.html



3.メディカロイド:3D映像技術を活用した手術支援ロボの操作



2020年、株式会社メディカロイドは初の国産手術支援ロボットを実用化しました。同年12月に前立腺がん手術の1例目が行われ、その後も利用可能な領域を拡げながら、海外との遠隔手術を行うなどの実績を重ねており、一部では保険適用も開始されています。

このロボットは4本のロボットアーム、内視鏡カメラ、手術器具を搭載したユニットで構成されており、医師は3D画像を見ながら、内視鏡カメラと手術器具を搭載したアームをコントローラーで遠隔操作します。

手術支援ロボットを活用した手術のメリットは患者側、医師側双方に存在します。患者側のメリットとしては従来の手術に比べると小さな傷で手術が行えるため、術後の痛みが少なく回復までの期間が短く済むこと、感染症のリスクが低下することなどが挙げられ、医師側のメリットとしては、場面を直接的に捉えて操作が可能であること、手術部位を拡大して確認できること、手の震えが伝わらないことなどが挙げられます。


 参照や注釈 

https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP648386_Q3A130C2000000/

https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv000000gkbp.html



4.comatsuna:アバターを介した対話によるメンタルケア



2022年に株式会社comatsunaは、メタバースを活用した法人向け社員メンタル支援サービスをリリースしました。

これは、アバターを介したオンラインでの面談によりメンタルヘルスの改善を図るもので、対面でのコミュニケーションに抵抗のある方でも気軽に利用できるメンタルヘルスケアを提供することを目的に作られました。

企業の産業保健窓口では、窓口利用の際に、相談内容が企業側に共有されてしまうという不安感から従業員が利用を躊躇する傾向があります。このサービスは、そういった心理的負担の軽減を目的とし、社員自ら予約が可能で、企業を通すことなく面談が完結する仕組みを採用しており、匿名性が高いのが特長です。

また、社員が企業側へ伝えて欲しい情報だけを匿名でフィードバックすることも可能で、企業側のメリットとして、社員の潜在的な不満や不安、問題点をいち早く検出することが出来るとともに、社員のメンタル不調予防、離職予防に役に立つサービスとして活用可能です。


 参照や注釈 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000092504.html



5.mediVR:VRを活用したリハビリのサポート



株式会社mediVRの提供するリハビリサポートサービスは、姿勢の崩れや不安定さを抱える患者さんが、仮想空間上の狙った位置に手を伸ばすリーチング動作を繰り返すことで、姿勢バランスや重心移動のコツをつかむことができるリハビリテーション用医療機器です。歩行特性を把握し、改善することが目的です。

VRゴーグルを装着して完全に視覚をシャットダウンしてゲーム感覚で行えるように5種類のミニゲームが内蔵されています。

立ったまま歩行することが困難な方でも取り組める点や、これまで曖昧だったリハビリの指示や評価が明確に行える点、ゲーム感覚独特の達成感により、脳の快感を維持しようとする感覚(報酬系)を刺激することでモチベーション向上が期待できる点などが利点として挙げられます。


 参照や注釈 

https://www.medivr.jp/product/

https://rehanowa.com/medivr




まとめ



メタバースを利用した医療業界の取り組みをご覧いただきましたがいかがでしたでしょうか。

この取り組みはまだ始まったばかりで、今後も様々な分野に拡がっていくことが予想されます。まさに伸びしろの分野、可能性の塊と言っていいでしょう。

企業もそのために合弁会社を作ったり、医師が新たに会社を立ち上げたりしています。医療業界の技術進歩が目覚ましい中、今後の展開に注目です。




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