メタバースライブを開催したいけれど「どのプラットフォームを選べばいいかわからない」「VTuberライブの活用事例を知りたい」「参加方法や必要な機材など始め方がわからない」といった悩みをお持ちではありませんか。メタバースライブを理解し適切に参加することで、場所を問わずに臨場感あふれる音楽体験を楽しみ、現実では不可能な演出に触れられます。

この記事では、メタバースライブの基本概念から主要プラットフォーム、ホロライブをはじめとする成功事例、そして具体的な参加方法まで網羅的に解説します。この記事を読んで、メタバースライブの全体像を把握し、自信を持って新しい音楽体験の世界に飛び込んでください。

【この記事のまとめ】

  • メタバースライブは仮想空間上で開催されるライブイベント
  • 現実世界では不可能な演出による特別な音楽体験が魅力
  • 場所や参加人数の制約が少なく会場費のコスト削減も可能
  • clusterやVRChat等多様なプラットフォームが存在
  • 米津玄師や星野源など有名アーティストの実施事例あり

メタバースライブとは

メタバースライブとは、仮想空間内に設営されたライブ会場で開催されるオンライン音楽パフォーマンスです。参加者はアバターを通じて3D空間のコンサート会場に足を運び、アーティストの演奏を体験できます。

従来の動画配信によるライブ配信とは根本的に異なり、まるで実際の会場にいるかのような臨場感を味わえる点が特徴的です。アバター同士が同じ空間で盛り上がることで、一体感のある音楽体験が実現されています。現実のライブと同様、観客同士の交流やリアクションも楽しめるため、新しいエンターテイメントの形として急速に普及しています。

メタバースライブのメリット・効果

仮想空間を活用したライブ開催には、従来のコンサートでは実現できない数多くの利点があります。アーティストとファン双方にとって革新的な音楽体験を提供し、音楽業界全体の可能性を大きく広げています。

場所の制限がない参加体験

地理的な制約を完全に取り除けることが、メタバースライブ最大の魅力といえるでしょう。海外のアーティストのライブも、自宅からアクセスするだけで参加可能です。交通費や宿泊費といった追加コストを気にすることなく、世界中の音楽ファンが同じ空間で熱狂できます。

スマートフォンやPCがあれば簡単に参加でき、VR機器がなくても十分楽しめる設計になっているプラットフォームも存在します。体調面や時間的な都合でリアルライブへの参加が困難な方々にも、等しく音楽体験の機会を提供している点は社会的意義も高いといえます。また、座席数の物理的制限がないため、より多くのファンが同時に参加できるのも大きなメリットです。

現実では不可能な演出表現

仮想空間だからこそ実現できる、圧倒的なビジュアル表現がメタバースライブの醍醐味です。重力を無視した浮遊演出や、瞬時に変化する背景、巨大なCGエフェクトなど、物理法則に縛られない自由な演出が可能になります。

アーティスト自身もアバターとなることで、通常の人間では不可能なパフォーマンスを披露できます。例えば、空中を舞いながらの歌唱や、一瞬でコスチュームを変更する演出など、ファンタジックな体験を観客に届けられるのです。さらに、楽曲に合わせて会場全体が変形したり、観客のアバターも演出の一部として参加したりと、双方向性のあるエンターテイメントが展開されています。

コスト削減とアクセス向上

主催者側にとって、会場レンタル費用や設営コスト、スタッフ人件費などの大幅な削減が期待できます。物理的な会場を必要としないため、天候や災害による開催中止リスクもありません。これにより、より多くのアーティストがライブ開催にチャレンジしやすい環境が整っています。

参加者側も、チケット代金以外の出費を抑えながら高品質な音楽体験を楽しめます。駐車場代や交通費、食事代などを考慮すると、従来のライブ参加には相当な費用負担が伴いましたが、メタバースライブなら大幅にコストを削減できるのです。この手軽さが、音楽ファンの参加ハードルを下げ、より多様な層にリーチできる要因となっています。

主要なメタバースライブプラットフォーム

メタバースライブを楽しむためには、適切なプラットフォーム選びが重要です。世界中で利用されている主要なサービスから、日本発の革新的なプラットフォームまで、それぞれ独自の特徴と強みを持っています。ここでは代表的な5つのプラットフォームの特徴と魅力をご紹介します。

cluster

cluster」は、クラスター株式会社が運営する国内最大級のメタバースプラットフォームで、累計動員数3500万人を超える圧倒的な実績を誇ります。スマートフォン、PC、VRすべてに対応しており、最大10万人の同時接続が可能な技術力が特徴です。

2024年8月には「Cluster Live Music Club」の提供開始が発表され、手軽にバーチャルライブを開催できる有料チケット機能付きライブハウス空間が利用可能になりました。日本語でのサポートが充実しており、JASRACとの楽曲利用許諾も整備されているため、国内のアーティストにとって参入しやすい環境が整っています。

個人主催のライブイベントから企業の大型フェスまで幅広く対応しており、日本のメタバースライブ文化の中心的存在として注目されています。

VRChat

VRChat」は、2024年3月にはTBSが主催する「META=KNOT 2024 in AKASAKA BLITZ」が開催され、閉館した「赤坂BLITZ」をバーチャル空間に再現するなど、音楽業界からの注目度が急上昇中のソーシャルVRプラットフォームです。ユーザー生成コンテンツ(UGC)の自由度が非常に高く、クリエイターによる多彩なライブ演出が可能です。

VRChatの音楽シーンには定期開催のオープンマイクイベントが豊富に存在し、「Open Mic Bar-Spot Light Talks」や「題名のないお茶会」といった毎週開催されるイベントが音楽ファンのコミュニティを支えています。特にパーティクルライブと呼ばれる、音楽に連動して空間全体にエフェクトが展開される演出は圧巻です。

VRヘッドセット推奨ですが、PCからも参加可能で、音楽を軸とした深いコミュニティ形成を重視する方におすすめのプラットフォームです。

Fortnite (フォートナイト)

Epic Gamesが開発する「フォートナイト」は、全世界で3億5000万人以上のユーザーを誇る巨大プラットフォームです。本来はバトルロイヤルゲームですが、戦闘要素のない「パーティロイヤル」モードでメタバースライブを開催しています。

2020年の米津玄師による日本人初のバーチャルイベントを皮切りに、2022年6月には星野源がサウンドウェーブシリーズに参加するなど、国内外の著名アーティストが次々とライブを開催しています。特筆すべきは、参加者が「恋ダンス」を踊れる機能や、特別なインクガンでライブ映像を空間に投影できる演出など、ゲーム要素を活かした独創的な体験を提供している点です。

基本無料でPC、スマートフォン、各種ゲーム機からアクセス可能な手軽さも魅力で、メタバースライブ初心者にも優しいプラットフォームといえるでしょう。

メタバースライブの成功事例

メタバースライブは世界中で様々な成功事例が生まれており、それぞれ独自のアプローチで新しい音楽体験を創出しています。国内外の代表的な事例を通じて、メタバースライブの可能性と多様な展開方法をご紹介します。

ホロライブ

ホロライブプロダクションは2023年7月15日、独自のメタバースプロジェクト「ホロアース」内でバーチャルライブイベント「Protolive#2 〜ヤマトファンタジア〜」を開催しました。白上フブキ、百鬼あやめ、大神ミオ、さくらみこが出演し、「ホロライブ・オルタナティブ」の世界観を活用した和風ライブを展開しています。

この取り組みの特徴は、VTuberとメディアミックス作品を連動させた統合的なエンターテイメント体験の提供です。ホロアース内での観覧は無料とし、同時にSPWNStreaming+での有料配信、YouTube Liveでの一部無料配信を実施するなど、多層的な配信戦略を採用しました。次世代のバーチャルイベント体験のロールモデルを目指すアプローチは、VTuber業界における新たな標準を示しています。

参考:メタバースプロジェクト「ホロアース」内で、バーチャルライブイベント「Protolive#2 〜ヤマトファンタジア〜」が開催決定!|ホロライブ

キズナアイ

2021年10月16日から18日にかけて、世界初のバーチャルYouTuberとして知られるキズナアイが、NetEaseの「機動都市X」内でメタバースライブ「Here for you SMC×Kizuna AI LIVE 2021」を開催しました。ゲーム内の没入感を活かした独創的な演出が話題となっています。

イベントではライトスティックや花火などの応援グッズが使用でき、参加者がリズムに合わせて画面をタップすることでキズナアイと一緒にダンスできる機能も実装されました。特にDÉ DÉ MOUSEが書き下ろした新曲「Here for you」は、ゲームプレイヤー同士の絆をテーマとした楽曲として制作され、メタバースならではのコミュニティ体験を音楽で表現した先進事例といえます。

参考:Kizuna AI初のゲーム内メタバースライブが機動都市Xにて開催|PRTIMES

ポニーキャニオン

ポニーキャニオンは2022年、キュー・テック、DMM.comとの三社協業により「Virtual harevutaiプロジェクト」を発足し、メタバースライブ領域への本格参入を発表しました。池袋の未来型ライブ劇場「harevutai」をバーチャル空間に再現する取り組みを進めています。

このプロジェクトは年間15本以上の企画開催を目標とし、VTuber、ボーカロイド、アニメから実写企画まで幅広いコンテンツでの展開を検討しています。従来のエンターテイメント企業が持つプロデュース力と、最新のVR技術を融合させた戦略的アプローチは、業界全体のメタバースシフトを象徴する動きとして注目されています。

参考:ポニーキャニオン×キュー・テック×DMM.comがメタバース・ライブ領域に三社協業参入!「Virtual harevutaiプロジェクト」を発足しライブコンテンツ拡充に向けパートナー様募集を開始|PRTIMES

米津玄師・星野源(フォートナイト)

2020年8月に米津玄師が日本人初のフォートナイト バーチャルイベントを開催し、2022年6月には星野源がサウンドウェーブシリーズでインタラクティブ体験を展開するなど、J-POPアーティストによる海外プラットフォーム進出の先駆的事例となっています。特に米津玄師のイベントは全世界3億5000万人のユーザーを持つプラットフォームでの開催として大きな話題を呼びました。

フォートナイトのパーティロイヤルモードを活用したライブでは、参加者同士の交流や独特な演出が可能で、従来の配信ライブとは一線を画す体験を提供しています。アーティストの楽曲と連動したゲーム内エフェクトや、参加者が使えるスペシャルアイテムの配布など、ゲーム要素を活かした革新的な演出手法が世界的に評価されています。

参考:星野源、「フォートナイト」でバーチャルライブ 米津玄師に続き|TImedia

初音ミク(ガンダムメタバースライブ)

バンダイナムコエンターテインメントは2025年4月21日から5月20日にかけて、「ガンダムメタバース」内で初音ミクとのコラボレーションライブを期間限定で開催し、ガンダム×初音ミクの世界観を融合させた特別なライブ体験を提供しました。異なるIP同士のクロスオーバーによる新しいエンターテイメントの形として話題となっています。

このライブでは、ガンダムの世界観に初音ミクが融合した独特なビジュアル演出や、メタバース空間ならではの3D表現が活用されています。また、ライブエリアへの途中入場ができない設計や、空間全体を使った大規模な演出など、リアルライブの緊張感とメタバースの表現力を両立させた画期的な取り組みといえるでしょう。

参考:「ガンダムメタバース×初音ミク」コラボ第二弾!無料で楽しめるコラボレーションライブが5/18まで開催中&プレゼントキャンペーンも実施中!|初音ミク公式ブログ

メタバース音楽ライブの開催方法

メタバース空間でのライブ開催は、従来の音楽配信とは異なる独特なアプローチが必要です。適切なプラットフォーム選択から技術準備まで、成功への道のりには多くのステップが存在します。

しかし、基本的な流れを理解すれば、個人アーティストでも気軽に始められるのが魅力です。ここでは実践的な開催方法を段階的にご紹介していきます。

ライブ配信プラットフォームの選択

プラットフォーム選択は、ライブの成否を左右する最重要要素といえるでしょう。まず考慮すべきは、想定される観客数と技術的な要求レベルです。clusterは最大10万人の同時接続に対応し、日本語サポートが充実しているため、国内アーティストの初回挑戦に適しています。

一方、VRChatは自由度の高いカスタマイズが可能で、パーティクルライブなど独創的な演出を求める上級者向けです。フォートナイトは全世界3億5000万人のユーザーベースを持つ反面、Epic Gamesとの連携が必要となります。

予算と技術スキルのバランスを見極めながら、ターゲット層に合致するプラットフォームを慎重に選びましょう。無料でスタートできるclusterから始めて、徐々にスキルアップするのが現実的なアプローチです。

企画から配信までの流れ

メタバースライブの企画段階では、まず楽曲の著作権処理が不可欠です。clusterで歌唱・演奏できる楽曲はJASRAC/NexToneが管理し、「インタラクティブ配信」区分が管理されている楽曲のみとなっているため、事前確認が必須となります。

イベント作成では、開催日時の確定後は変更が困難になるケースが多いため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。リハーサルでは音声の遅延チェックや、アバターの動作確認を入念に実施しましょう。

本番当日は、開始30分前には会場入りし、参加者との交流時間も計画に含めることをおすすめします。終了後のアーカイブ配信や感想収集まで含めた全体設計が、継続的なファン獲得につながるでしょう。

必要な機材と技術準備

メタバースライブでは「リアルタイムか収録か」「利用する端末」「パフォーマンスの種類」の3つのポイントで必要機材が変わります。最もシンプルなのは、スマートフォン1台でのアカペラ配信から始める方法です。

本格的な配信には、高品質なマイク、オーディオインターフェース、安定したインターネット回線が必要になります。VR体験を重視する場合は、Meta QuestなどのVRヘッドセットが推奨されますが、PC版でも十分な体験が可能です。

モーションキャプチャー機材を使用する場合は、マーカーを身体に装着してアバターに動きを反映させる技術が活用できます。ただし、初心者は手持ちのデバイスから始めて、段階的に機材をグレードアップしていくのが賢明な戦略といえるでしょう。

メタバースライブに関するよくある質問

Q1. メタバースライブの開催にかかる費用はどのくらいですか?

開催費用は選択するプラットフォームや規模によって大きく異なります。clusterやVRChatなどの基本プラットフォームは無料で利用できるため、個人アーティストなら初期費用ゼロでのスタートが可能です。

ただし、本格的な配信には音響機材(5万円~)やVRヘッドセット(3万円~)が必要になる場合があります。企業レベルでの大型イベントでは、3D会場制作やモーションキャプチャー技術の導入で数百万円規模になることも。

まずは「スマホ1台でアカペラ配信」から始めて、段階的に機材投資していくのが賢明でしょう。多くのクリエイターがこの方法で成功を収めています。

Q2. メタバースライブの視聴には何が必要ですか?

基本的には、安定したインターネット環境と対応デバイスがあれば視聴可能です。スマートフォン、PC、VRヘッドセットいずれでも参加できるプラットフォームが多く、特別な準備は不要といえます。

推奨環境としては、Wi-Fi接続での参加が安定性の面でおすすめです。VRChatやclusterなどでは大量のデータ通信が発生するため、モバイル回線では通信制限にかかるリスクがあります。

各プラットフォームの無料アカウント作成も必須です。事前にアバター設定を済ませておくと、よりスムーズにライブ体験を楽しめるでしょう。「準備は思ったより簡単!」と感じる方が大半です。

Q3. メタバースライブとVRライブの違いは何ですか?

メタバースライブは仮想空間での3Dライブ全般を指し、VRライブは主にVRヘッドセットを使用した没入型体験を特に重視したライブを意味します。前者はスマホやPCからでも参加でき、後者はVR機器が必須となる場合が多いのです。

体験の違いとして、VRライブでは360度の視界と立体音響により「その場にいる感覚」がより強く感じられます。一方、メタバースライブはデバイスを問わず参加しやすく、より多くの観客を集められる利点があります。

どちらも従来の2D配信では味わえない「空間共有感」が魅力で、参加者同士の交流も活発になります。用途や予算に応じて選択するのがベストでしょう。

Q4. メタバースライブの音質や画質はどの程度ですか?

音質・画質はプラットフォームと配信者の機材によって大きく左右されます。clusterやVRChatでは、配信者が高品質なマイクとオーディオインターフェースを使用すれば、CDに近い音質での配信が可能です。

画質については、参加者のデバイス性能とインターネット速度に依存します。最新のVRヘッドセットでは4K相当の映像体験ができる一方、スマートフォンでは解像度が制限される場合もあるのです。

ただし、メタバースライブの真価は「臨場感と一体感」にあり、多少の技術的制約があっても十分に楽しめる体験が提供されています。むしろ「画質より雰囲気!」という声が多く聞かれます。

Q5. メタバースライブでは他の参加者と交流できますか?

ほとんどのメタバースライブでは、参加者同士の活発な交流が可能です。テキストチャット、ボイスチャット、アバターのジェスチャーやエモートなど、多彩なコミュニケーション手段が用意されています。

VRChatでは拍手や手を振る動作が可能で、clusterではスタンプ機能で感情表現ができます。ライブ中の「みんなで一緒に盛り上がる」感覚は、従来の配信では得られない特別な体験です。

一部のイベントでは参加者数が多い場合にチャット制限がかかることもありますが、基本的には自由度の高いコミュニケーションが楽しめます。新しい友人との出会いも、メタバースライブの大きな魅力の一つといえるでしょう。

まとめ:メタバースライブは音楽体験の新たな可能性を切り開く

メタバースライブは場所の制約を超えた音楽体験を提供し、現実では不可能な演出表現により新しいエンターテイメントの形を創造しています。clusterやVRChatなど多様なプラットフォームが存在し、個人アーティストから大手企業まで幅広いプレイヤーが参入している状況です。

VTuberやバーチャルアーティストにとって、魅力的なアバターデザインはメタバースライブ成功の重要な要素となります。株式会社デジタルギアでは、VTuber業界での豊富な経験を活かしたメタバース事業の総合的なサポートを提供しております。

メタバースライブの企画や制作をお考えの方は、ぜひ一度デジタルギアへご相談してみてください。