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2025.08.08  

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VRChatワールドの作り方を解説!自作に必要なものや制作のコツを解説


VRChatワールドの作り方を解説!自作に必要なものや制作のコツを解説

VRChatで自分だけの空間を作りたいと思っても、「何から始めればいいのか分からない」「Unityって難しそう」と感じて手が止まっていませんか?

VRChatワールド制作は一見難しそうに見えますが、基本さえ押さえれば未経験でも自分だけの仮想空間を作成し、公開まで進めることができます。

この記事では、VRChatワールドの制作方法を基礎から応用まで、初心者にも分かりやすく徹底解説します。必要なソフトの導入から実際のアップロードまで、順番に説明するので、この記事を読み終える頃には自作ワールドを公開できるようになるでしょう。

この記事でわかること

  • VRChatワールドは無料のUnityとVRChat SDKを使って制作・公開できる
  • 基本制作は6ステップで完了し、初心者でも数時間で最初のワールドが作れます
  • ライティング・BGM・鏡・ギミックで魅力的な体験空間を演出できる
  • VRChatワールドは軽量化と最適化を意識することが重要
  • イベント開催・プロモーション・教育など多様な用途がある

VRchatワールドとは

VRChatワールドとは、VRChatというソーシャルVRプラットフォーム上に作られた、3D仮想空間のことです。この空間では、ユーザーは自由に歩き回ることができ、他のプレイヤーとリアルタイムでコミュニケーションを楽しめます。

VRChatワールドは、単なる背景ではありません。鏡で自分のアバターをチェックしたり、ボールを手に取って投げたり、ボタン操作で音楽を流したりと、様々なインタラクティブな仕掛け(ギミック)を組み込める体験型の空間です。

また、ひとつの空間内に複数のエリアを設けたり、特定の世界観やコンセプトを徹底的に表現したテーマワールドを作ることもできます。設計や演出はすべて制作者の自由。個人の趣味からビジネス活用まで、その可能性は無限に広がっています。

現在では、個人のクリエイターはもちろん、VTuberや企業の公式アカウントもオリジナルワールドを公開するケースが増えており、VRChat内での交流やプロモーションの場として注目を集めています。無料で制作・公開できるため、3D制作の入門としても人気が高まっています

VRchatワールドの活用方法

VRChatワールドは、ただ遊ぶだけの空間ではありません。個人の趣味から企業のプロモーションまで、様々な目的で活用できる柔軟なプラットフォームとして注目されています。ここでは、代表的な活用シーンを紹介します。

バーチャルライブ・イベント会場として使用

VTuberのライブやDJイベント、映画の上映会など、エンタメの場としてVRChatワールドを使う例が増えています。専用のステージやスクリーンを設置し、照明や音響演出を組み合わせることで、リアルなライブハウスに近い臨場感を演出できます。

観客の導線を考えた座席配置や、視線誘導を意識した構造にすることで、参加者全員が快適に楽しめる空間が設計できます。VRChatならではの特性を活かして、空中に浮かぶステージや、重力を無視したデザインなど、現実ではできない演出も自由に取り入れられます

企業・ブランドによるPRやプロモーション空間に

企業が自社製品やサービスのプロモーションスペースとして、VRChatワールドを使う動きも広がっています。ブランドロゴや商品を3Dモデルとして展示し、ユーザーが実際にその場で体験できる形でのマーケティングが可能です。

従来の広告と違い、ユーザーが自らワールドに訪れ、興味のあるものに触れながら長時間滞在するため、ブランドへの理解度が上がり、印象に残りやすいのが特徴です。人気キャラクターやIP(知的財産)と組んだコラボ演出を取り入れることで、ファンとの新たな接点も生まれやすくなります。

教育・研修・ワークショップ用途での利用

教育機関や企業の研修プログラムでも、VRChatは活用され始めています。座学だけでは理解が難しい内容を、3Dで可視化することで直感的に学べるようにしたり、仮想環境を使って模擬体験を行うことができます。

複数人で同時に参加できるため、ディスカッション型のワークショップにも適しています。物理的な場所にとらわれないため、遠隔地同士での共同学習にも対応可能。危険な作業のシミュレーションや、歴史的建造物を再現した学習素材などにより、教育効果の向上が期待されています

バーチャルイベント会場としての活用

製品発表会や新卒採用説明会、企業のコラボレーションイベントなど、ビジネスシーンでもVRChatワールドの導入が進んでいます。実際の会場を借りたり、移動したりといったコストを削減しながら、インパクトあるイベント体験を提供できるのが魅力です。

完全招待制の空間にすることで、特別感を演出しつつ、ブランドの世界観を効果的に伝えることもできます。参加者同士の交流もしやすく、従来のオンラインイベントよりも高いエンゲージメントを実現する可能性があります。

IP・コンテンツビジネスと連動した集客施策

アニメやゲーム、VTuberなどのIP(知的財産)を活かして、ファンとの接点を強化する手段としてのVRChatワールドを制作することも多くなっています。作品の世界観をそのまま再現したワールドを用意すれば、ファン同士の交流の場としても盛り上がります。

新作発表や記念イベントの会場として使用することで、既存ファンの満足度を高めつつ、新しいファン層の取り込みも狙えます。ワールド内にグッズ販売への導線や関連コンテンツへのリンクを設置すれば、収益にもつなげやすい活用方法といえるでしょう。

VRChatワールドを自作するために必要なもの

VRChatで自分だけのオリジナルワールドを作るには、いくつかのツールや準備が必要です。ここでは、制作を始めるうえで最低限揃えておきたい環境とソフトウェアをわかりやすく解説します。

Unity(推奨バージョン)

VRChatのワールド制作では、ゲームエンジン「Unity」がベースになります。ただし、どのバージョンでも使えるわけではなく、VRChatが対応している特定のバージョンを使う必要があります。

2025年7月時点では「Unity 2022.3.6f1」が推奨バージョンです。制作前には必ず、VRChat公式のドキュメントで最新の推奨バージョンを確認しましょう。

Unityは無料の「Personalライセンス」で問題なく使えます。ワールド内のオブジェクト配置やライティング、音声設定、簡単なスクリプト処理など、必要な機能はすべて揃っています。また、「Unity Hub」を使えば複数のプロジェクトやバージョンを効率的に管理できるので、セットで導入するのがおすすめです。

VRChat SDK(World用)

Unityに加えて導入する必要があるのが「VRChat SDK」です。これは、作成したワールドをVRChatにアップロードするための専用ツールで、VRChat公式サイトから無料でダウンロードできます。

World用SDKをUnityプロジェクトにインポートすることで、スポーン地点(プレイヤーの初期位置)やポータル、音響設定といった、VRChatワールドに必要な要素を追加できるようになります。また、SDKにはエラーのチェック機能やアップロード機能も搭載されているため、制作から公開までをスムーズに進められます。

VRChatアカウント(Trustランク制限に注意)

ワールドをアップロードするには、「New User」以上のトラストランク(信頼度ランク)を持ったVRChatアカウントが必要です。作成したばかりのアカウントは「Visitor」ランクのため、そのままではワールドを公開できません。

トラストランクは、VRChatで一定時間プレイしたり、フレンドを増やしたり、アバターやワールドをアップロードすることで上がっていきます。個人差はありますが、数日〜1週間ほど遊べば「New User」ランクに到達できます。ワールド制作を始める前に、まずはアカウントを作成し、ランクアップを進めておくとスムーズです。

3Dモデルやアセット(Unity Asset Store / 自作)

ワールドの見た目を作るためには、床や壁、建物、家具、自然物などの「3Dモデル」や「テクスチャ素材」が必要になります。

手軽に素材を揃えるなら「Unity Asset Store」がおすすめです。無料でも高品質なアセットが多く、建築物や環境、エフェクト、BGMなど幅広く揃っています。

自作する場合は、「Blender(無料)」や「Maya(有料)」などの3Dモデリングソフトを使ってオリジナルの素材を制作できます。また、「BOOTH」や「Sketchfab」などの外部サイトでも、VRChat対応のアセットが多く配布されています。

利用時は、商用利用の可否や再配布制限など、ライセンス条件をきちんと確認することが大切です。

VRChatワールドの作成ステップ【初心者向け】

ここでは、VRChatワールドを初めて作る方向けに、基本の流れを6つのステップに分けてわかりやすく解説します。

  1. Unity HubとUnity本体をインストール
  2. VRChat SDKを導入する
  3. 新規プロジェクトを作成
  4. 地形・床・壁など基本構造を配置する
  5. PlayerStart・ポータルなど必要なオブジェクトを配置
  6. ワールド情報を入力してビルド&アップロード

初めての方でも迷わず進められるよう、具体的な操作方法も交えながら説明していきます。

STEP1:Unity HubとUnity本体をインストール

まずは、ワールド制作に必要な開発環境を整えます。Unity公式サイトから「Unity Hub」をダウンロードし、PCにインストールしてください。Unity Hubは複数のUnityバージョンを管理できる便利なツールです。

VRChatが対応しているUnityのバージョン(2025年7月時点では「Unity 2022.3.6f1」)を選び、Unity Hub上からインストールしましょう。

インストール時には、「Windows Build Support」(Windowsの場合はデフォルトでインストールされています)と「Android Build Support」にもチェックを入れてください。これにより、PC版とMeta Quest版の両方に対応したワールド制作が可能になります。インストールには時間がかかることがあるので、余裕のあるタイミングで作業するのがおすすめです。

STEP2:VRChat SDKを導入する

次に、VRChat公式サイトから「World用SDK(VRChat SDK3 - Worlds)」をダウンロードします。ファイル形式はUnityPackageです。ダウンロードしたら、後ほどUnityにインポートするために分かりやすい場所に保存しておきましょう。

SDKは頻繁にアップデートされているため、制作を始める直前に最新版をダウンロードすることが大切です。また、使用するUnityのバージョンとの互換性も重要です。事前にVRChat公式ドキュメントで対応状況を確認しておきましょう。

STEP3:新規プロジェクトを作成

Unity Hubを開き、「新しい3Dプロジェクト」を作成します。プロジェクト名はわかりやすい名前を付け、保存先のフォルダも管理しやすい場所を指定してください。

プロジェクトが立ち上がったら、「Assets」→「Import Package」→「Custom Package」を選択し、先ほどダウンロードしたVRChat SDKをインポートします。インポートが完了し、画面上部に「VRChat SDK」というメニューが表示されれば導入成功です。

STEP4:地形・床・壁など基本構造を配置する

いよいよワールドの土台を作っていきます。最初は、Unityに標準搭載されているオブジェクト(Cube(立方体)、Plane(平面)、Cylinder(円柱)など)を使って、シンプルな空間を作るところから始めましょう。

オブジェクトは「移動」「回転」「拡大・縮小」のツールを使って自由に配置できます。「グリッドスナップ機能」を使えば、綺麗に整列させることも可能です。さらに、マテリアルを適用することで、床や壁に色や質感を与えることができます。自分のイメージに合わせてデザインしてみてください。

STEP5:PlayerStart・ポータルなど必要なオブジェクトを配置

VRChatワールドには、プレイヤーが登場する「スポーン地点」や、他のワールドに移動できる「ポータル」のような特別なオブジェクトが必要です。

まずは、シーン内から「VRC_SceneDescriptor」というコンポーネントをメインカメラにアタッチしましょう。続いて、「VRC_SceneDescriptor」のスポーン設定(Spawns)でプレイヤーが最初に出現する位置を指定します。

ポータルを使いたい場合は、「VRC_PortalMarker」コンポーネントを設置し、移動先となるWorld ID(Room ID)を設定します。位置や向きを調整し、複数のポータル設置も可能です。また、「VRC_SceneDescriptor」の「Forbid User Portals」設定がオフになっていることを確認してください。これらの配置は、プレイヤーが迷わず行動できるように導線を意識して設計することが大切です。

STEP6:ワールド情報を入力してビルド&アップロード

最後に、VRChat SDKの「コントロールパネル」を開き、ワールドの基本情報を入力します。ワールド名、説明文、タグ、サムネイル画像、公開範囲(Private / Friends+ / Public)などを設定しましょう。

次に「Build & Test」でローカルテストを行い、問題がなければ「Build & Publish」でVRChatにアップロードします。

初回は数分〜十数分かかることがありますが、焦らず待ちましょう。アップロードが完了すれば、自分のアカウントからワールドにアクセスできるようになります。VRChat内で実際に動作を確認し、不具合がないかをチェックしましょう。

ワールドに追加できる演出・ギミック例

基本的なワールド制作に慣れてきたら、演出やギミックを取り入れて、より魅力的な空間を作ってみましょう。ここでは、VRChatワールドでよく使われる機能と、その実装方法を紹介します。

ミラー・ライティング・BGMの設定

まず取り入れたい要素のひとつが「鏡」です。VRChatユーザーは、自分のアバターの姿を確認する機会が多く、ミラーの存在は体験の満足度に直結します。

鏡を設置するには、UnityのPlaneオブジェクトに「VRC_MirrorReflection」コンポーネントを追加します。解像度や更新頻度を調整することで、表示の滑らかさと処理の軽さを両立できます。

ライティングは、空間の雰囲気を大きく左右する重要な要素です。「Directional Light」で太陽光を再現し、「Point Light」や「Spot Light」で局所的な照明を加えると、空間に立体感が出ます。さらに「Lightmap」を使ったBaked Lightingを活用すれば、美しい陰影を保ちつつ、パフォーマンスにも優れた表現が可能です。

BGMを設定したい場合は、「VRC_SpatialAudioSource」を使って、位置に応じた立体的な音響効果を加えましょう。音楽だけでなく、環境音も活用すれば、没入感がぐっと高まります。

インタラクティブなオブジェクト(Pickupなど)

ワールドの中に「触れる楽しさ」を取り入れるなら、「VRC_Pickup」コンポーネントを利用しましょう。ボールやペンなどの小道具を配置することで、プレイヤー同士の自然な交流を促進できます。

また、「VRC_Trigger」と組み合わせることで、「特定の場所にオブジェクトを置くと何かが起きる」といった動きも再現可能です。例えば、ボールをゴールに入れると音が鳴る、鍵を扉に差し込むと開く、といった簡単なゲーム要素も作れます。こうした仕掛けは、訪れたユーザーの滞在時間を延ばす効果が期待でき、リピーター獲得にもつながります。

ポータル・シーン遷移の設定方法

複数のエリアを行き来できるワールドを作りたい場合は、「VRC Portal Marker」や「VRC_Station」を活用します。

VRC Portal Markerを使えば、他のワールドへ移動するための入り口を設置できます。移動先は、自分の別ワールドはもちろん、他のクリエイターが公開しているワールドにも設定可能です。

また、シーン内でのテレポートにはVRC_Stationを使います。これは、指定した位置にプレイヤーを座らせたり、移動させたりできる仕組みで、移動演出と組み合わせればスムーズなエリア切り替えが実現します。エフェクトやアニメーションを使えば、単なる移動を「演出」に変えることもできます。

Udonを使ったプログラム的演出(応用編)

さらに自由な表現を追求したい人には、「Udon(ウドン)」がおすすめです。これは、VRChat専用のビジュアルプログラミングシステムで、「Udon Graph」を使えば、コードを書かずに直感的に処理を組むことができます。

ボタンを押すとBGMが切り替わる演出、夜と昼のライティングを時間で自動的に変える仕組み、プレイヤーの動きに反応するオブジェクトなど、より複雑なギミックを実現可能です。

最初は慣れが必要ですが、Udonを使いこなせるようになると、ワールドにオリジナリティと深みを加えられます。他のワールドでは見られない、自分だけの表現を目指すなら、ぜひチャレンジしてみてください。

VRchat ワールド制作のコツ

魅力的で、多くのユーザーに快適に楽しんでもらえるVRChatワールドを制作するためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、初心者でも実践しやすい5つのコツを紹介します。

軽量化と最適化を意識しよう

ワールドが重すぎると、表示が遅くなったり、入室に時間がかかったりして、ユーザーの離脱率が高くなる原因になります。特にQuest対応を目指す場合は、PCよりも厳しい制限があるため、軽量化と動作の安定性が最優先です。

具体的には、ポリゴン数を抑えたモデルの使用や、テクスチャサイズの最適化が効果的です。照明はリアルタイムライトよりも「Baked Lighting」を使って描画負荷を軽減しましょう。

さらに、LOD(Level of Detail)設定やOcclusion Culling(遮蔽判定)を使えば、見えないオブジェクトの処理を省けてパフォーマンスが向上します。制作中も定期的にビルドサイズや統計情報を確認して、問題点を把握しながら調整していくことが重要です。

「映える」ライティングを工夫する

ライティングは、ワールド全体の印象を左右する大事な要素です。光の色味や明るさ、影のつけ方次第で、空間の雰囲気が変わります。

Bloomエフェクトを使えば光のにじみを演出でき、シャドウ設定で奥行き感を出すことも可能です。空の背景(Skybox)も季節や時間帯を意識して選ぶと、世界観の完成度がさらに上がります。

Post Processing(ポストエフェクト)を活用すれば、映画のワンシーンのような質感や、ファンタジー・SF的な表現も可能です。ライティングひとつで、写真映えするワールドを目指せます。

ワールド導線と視認性を意識する

どれだけ見た目が良くても、プレイヤーがどこに進めばいいか分からないと、ストレスを感じてしまいます。スポーン地点からの動線を明確にし、迷いにくい設計を心がけましょう。

看板や矢印、目立つオブジェクトで進む方向を示すことで、プレイヤーの動きを自然に誘導できます。さらに、視覚的なランドマーク(大きな木、光るモニュメントなど)を設置すれば、マップの中で自分の位置を把握しやすくなります。

重要なオブジェクト(鏡、ポータル、トリガーなど)は、照明や色で目立たせると親切です。カラーコードやアイコンを活用すると、初見の人でも直感的に理解しやすくなります。

鏡・BGM・エモートスポットで満足度UP

VRChatでは、「鏡で自分の姿を見る」「お気に入りのエモートで写真を撮る」など、自己表現を楽しむユーザーが多くいます。

そのため、鏡はアバターを確認するための必須アイテムとも言えます。全身が映る鏡を設置したり、顔だけを確認できる小さな鏡を複数置いたりするなど、ユーザーの使いやすさを考えて配置しましょう。

また、BGMや環境音は、空間の心地よさを左右する重要な演出です。ワールドの雰囲気に合った曲を選び、音量バランスにも配慮しましょう。さらに、写真映えするエモートスポット(撮影スポット)を意識的に設置すれば、SNSでのシェアが増え、ワールドの認知度アップにもつながります

Udonやトリガーでギミックを加える

ただ歩くだけのワールドではすぐに飽きられてしまいます。そこで役立つのが、Udonを使ったギミックの追加です。インタラクティブな要素を追加することで、「ただの風景」から「体験できる空間」へとワールドの価値が高まります。

Udonは、VRChat専用のビジュアルプログラミング機能で、初心者でも「Udon Graph」を使えば視覚的に処理を組むことができます。

ボタンを押すとライトが点灯する、決まった場所にアイテムを置くとイベントが発動するなど、少しの仕掛けでもユーザーの満足度は大きく変わります。

まずは簡単なギミックから始めて、徐々に複雑な機能に挑戦していくのがおすすめです。VRChatコミュニティで共有されているサンプルやチュートリアルを参考にしながら、自分なりのアレンジを加えていくことで、スキルアップを図れます。

おすすめの無料アセット・素材サイト

VRChatワールドを作るうえで欠かせないのが、建物や小物、音楽などの「アセット素材」です。ゼロからすべてを自作するのは時間も手間もかかりますが、クオリティの高い素材をうまく活用すれば、効率よく魅力的なワールドが作れます。

ここでは、初心者にも使いやすく、無料で利用できるおすすめの素材サイトを3つ紹介します。

Unity Asset Store

Unityが公式で運営している「Unity Asset Store」は、VRChatワールド制作にもっとも多く使われている王道のサイトです。

無料で使える素材も充実しており、建物、自然、家具、エフェクト、音楽などジャンルも豊富。特に「Environment(環境)」「Props(小物)」「Audio(音響)」カテゴリは、ワールド制作との相性がよく、すぐに使える素材がそろっています。

レビューやダウンロード数をチェックすれば、品質の目安にもなります。気に入ったものがあれば、有料アセットを導入するのもよいでしょう。クオリティや使い勝手の面でプロも多く利用しており、費用に見合った価値がある素材も少なくありません。

BOOTH(VRC用素材多数)

BOOTH」は日本語で探せる、初心者にやさしい素材サイトとして人気です。主に日本の個人クリエイターが出品しており、VRChat向けに最適化された素材が豊富にそろっています。

アバター向けアイテムから、アニメ調の建物、ファンタジー風の小物など、個性のあるデザインが多いのも魅力。無料素材も多く、実際にワールドに使えるクオリティのものが数多く配布されています

検索も購入もすべて日本語で完結するため、海外サイトに不慣れな人でも安心して利用できます。ただし、作品ごとに利用規約(商用利用OKか、改変可能かなど)が異なるため、使用前には必ず確認するようにしましょう。

Sketchfab(FBX形式)

Sketchfab」は世界最大級の3Dモデル共有プラットフォームで、数多くの無料3Dモデルをダウンロードできます。建築物や自然物、SF風メカなど、ジャンルを問わず高品質な3Dモデルがそろっています。

Creative Commonsライセンスで公開されているモデルなら、商用利用や改変も可能。FBX形式でダウンロードできる素材が多く、Unityにそのまま読み込んで使えるのが魅力です。

ただし、テクスチャやマテリアルの調整が必要なケースもあり、ある程度Unityに慣れている人向けの側面もあります。とはいえ、無料でここまで多様な素材を扱えるサイトは少なく、使いこなせれば強力な武器になります。

VRchatワールド制作のよくあるトラブルと解決策

VRChatワールドの制作中には、思わぬエラーや不具合に直面することがあります。ここでは、よくある4つのトラブルとその解決方法を、具体的に解説します。

アップロード時にエラーが出る

ワールドをアップロードしようとした際にエラーが発生する場合、多くは「UnityやSDKのバージョン違い」「ワールド設定の不備」が原因です。

まず確認すべきは、VRChatが推奨しているUnityのバージョン(※2025年7月時点では Unity 2022.3.6f1)と、使用中のSDKが最新版かどうかです。バージョンが合っていないと、正常にビルドできないことがあります。

また、VRC_SceneDescriptorの設定ミスもよくある原因のひとつです。スポーン地点が正しく設定されているか、必須コンポーネントが抜けていないかを確認しましょう。

さらに、使用しているアセットに著作権の問題がある、ファイルサイズが大きすぎるなど、アップロード条件を満たしていないケースもよくある原因です。エラーが出た際には、Unityのコンソールに表示されるエラーメッセージを必ずチェックしましょう。

ワールドに入れない/表示されない

VRChat内でワールドに入れない・表示されない場合、まずはVRChatのサーバー状況を確認しましょう。一時的な障害が起きている場合は、VRChatの公式X(旧Twitter)やStatusページで情報が公開されます。

個別の原因としては、「ワールドが非公開設定になっている」「フレンド限定公開のまま」など、公開範囲の設定ミスが考えられます。また、ワールド自体はアップロードされたように見えても、ビルドエラーにより正しく反映されていないこともあります。Unityの「Console」を確認し、必要があればワールドを再ビルド・再アップロードを行ってください。

鏡が映らない・音が鳴らない

「鏡を置いたのに映らない」「音楽が再生されない」といったケースでは、設定ミスがよく見られます。

鏡が映らない場合は、「VRC_MirrorReflection」のレイヤー設定や反射解像度が適切かどうかを確認します。また、マテリアルがちゃんとミラー用シェーダー(Mirror)になっているかもチェックが必要です。

音楽が再生されない場合は、AudioSourceやVRC_SpatialAudioSourceの設定が正しいか、音源ファイルの形式が推奨されるOGGやWAVかどうかを確認しましょう。また、ファイルサイズが大きすぎると読み込まれないこともあります。加えて、VRChatクライアント側の音量設定がミュートになっていないかも念のため確認しておくと安心です。

ライティング設定が反映されない

「Unity上ではきれいに見えていたのに、VRChat内ではライティングが効いていない」という場合は、Lightmapのベイク忘れが原因かもしれません。

Lightingウィンドウで「Auto Generate」がオフの場合は、手動で「Generate Lighting」ボタンを押してベイク処理を実行する必要があります。これを忘れると、照明が正しく反映されません。

また、Light Probe(ライトプローブ)や Reflection Probe(反射プローブ)が十分に配置されていないと、動的オブジェクトの光の当たり方にムラが出ることもあります。静的なオブジェクトには「Static」設定が適切に付いているかどうかもチェックしておきましょう。

SkyboxやEnvironment Lightingの設定も、ワールド全体の明るさに関わるため、一緒に見直し、調整しておくと効果的です。

VRchatワールド制作に関するよくある質問

VRChatワールド制作について、初心者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. ワールド制作は無料でできますか?

A. はい、Unity・VRChat SDKともに無料で利用可能です。Unityの個人向けライセンス(Unity Personal)には機能制限がほとんどなく、プロレベルのワールド制作が可能です。

ただし、高品質な3Dモデルやテクスチャ、音楽素材などの有料アセットを購入する場合は費用がかかります。また、Photoshopなどの画像編集ソフトや3DモデリングソフトのMayaなど、より高度な制作に必要な外部ツールは有料である場合が多いです。

Q2. VR機器がなくてもワールドは作れますか?

A. はい、PCとマウス・キーボードがあれば制作・アップロードは可能です。Unityのエディタ上でワールドを制作し、デスクトップモードでテストプレイすることで、VR機器なしでも十分に開発できます。

VRでの動作確認については、VRフレンドにテストを依頼したり、コミュニティでテスターを募集したりする方法があります。ただし、VR特有の体験(空間の広さ感、高さ感、酔いやすさなど)を検証するには、いずれかの段階でVR機器での確認が必要になります。

Q3. Unityのどのバージョンを使えばいいですか?

A. VRChat公式が推奨している特定バージョン(2025年7月現在はUnity 2022.3.6f1)を使用してください。VRChatは特定のUnityバージョンにのみ対応しており、最新版のUnityを使用するとSDKが動作しない場合があります。

推奨バージョンは定期的に更新されるため、新しいプロジェクトを開始する前に必ずVRChat公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。古いバージョンのサポートが終了することもあるため、継続的な情報収集が重要です。

Q4. 自作ワールドはどうやって公開できますか?

A. VRChat SDKのコントロールパネルから「Build & Publish」ボタンを押すことで、自分のアカウントに紐づいたワールドとしてアップロードされます。公開範囲は「Private(自分のみ)」「Friends+(フレンドとその招待者)」「Public(全ユーザー)」から選択可能です。

初回公開時はPrivateに設定し、十分なテストを行ってからPublicに変更することをおすすめします。また、ワールドの説明文やタグ設定を適切に行うことで、より多くのユーザーに発見してもらえる可能性が高まります。

Q5. ワールドが重くて動きがカクつきます。どうすれば?

A. ポリゴン数の削減、テクスチャの圧縮、Baked Lightingの活用が効果的です。Unity Statistics ウィンドウでDrawcallsとTris(三角形数)を確認し、これらの数値を可能な限り削減しましょう。

Quest対応を意識する場合は、さらに厳しい最適化が求められます。不要なオブジェクトの削除、LODシステムの活用、Shader の最適化なども重要です。また、リアルタイムライティングを極力避け、静的なオブジェクトはLightmapにベイクすることで、大幅なパフォーマンス改善が期待できます。

まとめ:自分だけのVRChatワールドを創造しよう

VRChatワールドの制作は、特別な開発スキルがなくても、UnityとVRChat SDKといった無料ツールを使えば誰でも始められるクリエイティブな活動です。まずはシンプルな構成から始め、少しずつライティングやギミックを加えていくことで、自然とスキルが身につき、表現の幅も広がっていきます。

制作時には「軽量で快適な動作」と「誰にとってもわかりやすい設計」を意識することが大切です。見た目の美しさだけでなく、操作のしやすさや導線の工夫など、使う人の視点を取り入れたワールド設計が、多くのユーザーにとって魅力的な体験につながります。

VRChatワールドは、趣味の創作からビジネス活用まで様々な目的で活用できる柔軟なコンテンツ。この記事で紹介した基本の流れと制作のコツを参考に、あなただけのオリジナルな仮想空間をぜひ形にしてみてください。VRChatの世界では、そんなあなたのワールドをきっかけに、新しい出会いや交流が生まれるかもしれません。

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