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VtuberのLive2Dモデルの作り方!費用相場や動かし方を解説
「Vtuberとして活動したいけど、Live2Dモデルの作り方がわからない」「自分だけのオリジナルキャラクターで魅力的な配信をしたい」とお悩みではありませんか?
Live2Dモデルは、2Dイラストにまるで命を吹き込んだかのように、生き生きとした動きを与える技術です。多くの人気Vtuberが採用しており、個性や魅力を最大限に引き出すアバターとして活躍してくれます。
しかし、Live2Dモデルの制作方法や費用、必要な機材については、「難しそう」「どこに頼めばいいかわからない」と感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、VtuberのLive2Dモデルの基礎知識から、プロが教える具体的な制作手順、気になる費用相場、実際の動かし方まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
これからVtuber活動を始める初心者の方も、制作依頼を検討している方も、この記事を読めば自分に合った最適な方法が見つかるでしょう。
記事まとめ
- Live2Dモデルは2Dイラストをパーツ分けして動かす技術で、軽量で配信に適している
- 制作はイラスト制作、パーツ分け、モデリング、表情設定、配信ソフト連携の順で進める
- 費用相場はイラスト3万円〜20万円、モデリング1万円〜30万円以上が目安
- 動かすにはWebカメラかiPhone、トラッキングソフト、配信ソフトが必要
- パーツ分けの設計と商用利用権の確認が制作成功のポイント

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目次
VtuberのLive2Dモデルとは
VtuberのLive2Dモデルとは、平面的な2Dイラストをパーツごとに分割し、専用ソフトウェアで動きを付けることで、まるで生きているかのように表現できるアバターのことです。手描きイラストの魅力をそのまま残しながら、表情の変化や体の動きを自然に表現できるため、親しみやすいキャラクターづくりができます。
Live2D技術の最大の特徴は、手描きの温かみや個性を失うことなく、リアルタイムでキャラクターを動かせることです。視聴者にとっては親しみやすく、配信者にとっては操作しやすいことから、Vtuber業界で広く普及しています。PCへの負荷も比較的軽いため、安定した配信が可能な点もメリットです。
近年では、YouTubeやTikTok、Twitchといった動画配信プラットフォームの普及により、個人のクリエイターでも気軽にLive2DモデルのVtuberを制作し、配信できるようになりました。ボーカロイド楽曲をはじめ、さまざまなジャンルでLive2Dを活用したVtuberが増加し、注目を集めています。
Vtuber のLive2Dモデルと3Dモデルの違い
Live2Dモデルと3Dモデルには、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。Vtuber活動でどちらを選ぶかは、目的や予算、求める表現によって変わるため、両者の違いを正しく理解することが重要です。
Live2Dモデルは、2Dイラストをベースにしており、アニメ調で可愛らしい表現が得意です。PCへの負荷が軽く、配信時の動作も安定しているため、初心者や低スペックPCでも扱いやすい点が大きな魅力です。
一方で、3Dモデルは立体的な造形によって360度どの角度からも自由にキャラクターを見せられます。複雑な動きや多彩なポーズ表現が可能で、よりリアルでダイナミックな演出に向いていますが、高性能なPCや高額な制作費が必要になることが多いです。
項目 | Live2Dモデル | 3Dモデル |
---|---|---|
制作コスト | 比較的安価(約8万円〜25万円) | 高額(30万円〜100万円以上も) |
PC負荷 | 軽い | 高い |
表現の自由度 | 正面・左右中心の動きが主 | 360度あらゆる角度から自由自在 |
見た目の特徴 | 手描きイラストの魅力を保つ | 立体的でリアルな質感 |
Live2Dモデルは初心者にも扱いやすく、コストパフォーマンスに優れているため、Vtuberデビューに最適です。また、出演者のスケジュール調整や撮影場所の確保といった制約がないため、より創作の自由度が高い映像制作が可能になります。
VtuberのLive2Dモデルの作り方
高品質なLive2Dモデルを制作するためには、体系的なプロセスを踏むことが重要です。以下の5つのステップで制作を進めることで、自然で魅力的なVtuberアバターを完成させられます。
このセクションの目次
- イラストを用意
- パーツ分け
- モデリング
- 表情・動きの設定
- トラッキング・配信ソフトと連携する
それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。
イラストを用意
Live2Dモデル制作の第一歩は、モデリングに適したイラストの準備です。通常のイラストとは異なり、パーツ分けを前提とした特別な描き方が必要になります。
イラスト制作では、キャラクターの全身を描き、髪、目、口、体などの部位を後で分割できるよう、重なり部分も含めて丁寧に描画します。4000px以上の高解像度で制作し、配信時の拡大表示でもぼやけないよう注意が必要です。
また、表情差分(笑顔、困り顔、驚き顔など)や衣装のバリエーションがある場合は、この段階で一緒に制作しておくことで、後の工程での手間を大幅に削減できます。ファンタジー世界や抽象的な概念も、イラストなら自由に表現できるのが大きな特徴です。
パーツ分け
イラストが完成したら、Live2Dで動かすためのパーツ分けを行います。この工程の品質が、最終的なモデルの動きの自然さ、表現力を大きく左右します。
パーツ分けでは、以下のように動きに応じて適切に分けることが重要です。
- 髪:前髪、後ろ髪、サイド、もみあげなど細かく分割
- 顔:輪郭、頬、鼻など
- 目:上まぶた、下まぶた、瞳、白目、ハイライト
- 口:上唇、下唇、舌、歯
- 体:首、肩、腕、胴体、アクセサリーなど
パーツ分けの設計ミスは後の修正が困難なため、この段階で十分な検討を行うことが大切です。重力に逆らった動きや非現実的な空間演出、季節や時間の急激な変化なども、適切なパーツ分けにより表現可能になります。
モデリング
Live2D Cubismソフトウェアを使用して、分割されたパーツにリギング(骨組み)を設定し、実際に動かせる状態にする工程です。
モデリングでは、各パーツにメッシュと呼ばれる変形用の格子を設定し、パラメータを調整することで自然な動きを実現します。
- 顔の傾きや目の開閉、口パクなどの基本表情を設定
- 髪や服の揺れ、アクセサリーなどの揺れものを物理演算の設定で自然な動きを表現
- 高度な表現(感情の色彩変化やリズムに合わせた演出)も可能
この工程では、Live2Dの専門知識と経験が重要になるため、初心者の方は外部のモデラーに依頼することが一般的です。モデリングの品質により、キャラクターの魅力や表現力に影響します。
表情・動きの設定
基本的なモデリングが完了したら、より詳細な表情パターンや動きのバリエーションを設定します。Vtuber配信でよく使う表情を幅広くカバーしましょう。
- 喜怒哀楽の基本表情のほか、ウィンク、照れ顔、驚きなど使用頻度の高い表情を追加
- 手の動きやポーズ、特殊モーションも必要に応じて設定
設定した表情や動きは、後で配信ソフトからホットキーで呼び出せるように設計します。これにより、配信中にスムーズにリアクションでき、より魅力的な配信が可能です。
トラッキング・配信ソフトと連携する
完成したLive2Dモデルを実際に動かすため、フェイストラッキングソフトや配信ソフトとの連携設定を行います。
VTube StudioやAnimaze by FaceRigなどのトラッキングソフトにモデルを読み込み、Webカメラまたは iPhoneでの顔認識設定を行います。顔の動きや表情の変化がモデルに正確に反映されるよう、感度やトラッキング範囲の調整を行います。
最後に、OBSなどの配信ソフトと連携し、背景の合成や画面レイアウトを設定することで、Vtuberとしての配信環境が完成します。魅力的なキャラクターや印象的なビジュアルは、視覚的インパクトが強く、SNSユーザーの注意を引きやすいため、拡散効果も期待できます。
Live2DでVtuberを始めるために必要なもの
Live2DでVtuber活動を始めるには、モデル本体の他にもいくつかの機材とソフトウェアが必要です。Live2DによるVtuber活動に必要なものは、主に以下の3点です。
- Live2Dアバター(モデル)
- トラッキング用のWebカメラまたはiPhone
- 配信・合成ソフト(OBS、VTube Studioなど)
必要なものを見極めることで、初期投資を抑えつつ、質の高い配信環境を整えることができるでしょう。それぞれ解説します。
Live2Dアバター(モデル)
Vtuberの「顔」となるのが、Live2Dモデルです。自作または外注により制作して、用意します。
モデルには、基本的な表情変化(まばたき、口パク、顔の傾きなど)が設定されており、VTube Studioなどの対応ソフトで読み込めるファイル形式(.moc3、.jsonなど)で提供されます。高品質なモデルほど自然で魅力的な動きを実現できますが、その分制作費用も高くなります。
既製品のLive2Dモデルを購入する場合は、BOOTH、nizimaなどのプラットフォームで数百円~数万円程度のモデルが多く販売されています。また、クオリティの高いモデルや商用利用権付き、限定モデルの場合は3万円~10万円、場合によってはそれ以上の価格で取引されることもあります
オリジナルキャラクターを希望する場合は、イラストレーターとモデラーに個別依頼するのがおすすめです。アニメーションならではの親しみやすさがあり、幅広い層にアピールできます。
トラッキング用のWebカメラ・iPhone
Live2Dモデルをリアルタイムで動かすには、顔の動きを認識するカメラが必要です。予算と求める精度に合わせて選びましょう。
機材 | 費用 | 精度 | 特徴 |
---|---|---|---|
Webカメラ | 約5,000円〜15,000円 | 標準 | 手軽に始められる |
iPhone+専用アプリ | アプリ代約1,000〜3,000円 | 高精度 | Face ID搭載で表情認識が非常に正確 |
Webカメラの場合は、1080p(フルHD)対応モデルが推奨されます。ロジクール C920、C922などが人気で、新品の場合8,000円〜15,000円程度で購入できます。中古やセール時には5,000円台で入手できる場合もあります。
より細かな表情まで正確にモデルに反映させたいなら、Face IDを搭載したiPhone(iPhone X以降のモデル)と「iFacialMocap」、「FaceMotion3D」などの専用アプリを組み合わせるのがおすすめです。Face IDセンサーを使うことで、非常に高精度な表情認識が可能になります。
近年、スマートフォンやタブレットの普及により、いつでもどこでもLive2D動画を視聴できる環境が整ったことも、Live2Dコンテンツの人気を後押ししています。
配信ソフト・合成ソフト(OBS・VTube Studioなど)
Live2Dモデルを動かし、実際に配信用の映像として出力するためのソフトウェアも必要です。無料のものから高機能な有料版まで選択できます。
VTube Studioは現在最も人気の高いLive2D対応トラッキングソフトで、Steamから無料でダウンロードでき、基本的な機能は無料で使えます。より多くの表情設定やカスタマイズ機能を使いたい場合やウオーターマークを消したい場合は、有料版(1,520円の買い切り)を購入できます。直感的な操作性と豊富な機能により、初心者からプロまで幅広く使用されています。
配信には OBS Studio(無料)が最も広く使用されています。VTube StudioとOBS Studioを連携すれば、背景の合成や画面レイアウト、音声設定なども自由に調整できます。他にも、Streamlabs DesktopやXSplitなども選択肢として挙げられます。
VtuberのLive2Dモデル制作にかかる費用の目安
Live2Dモデル制作の費用は、イラスト制作費とモデリング費が主要な部分を占めます。モデルの品質や仕様によって価格は大きく変わりますが、基本的な相場を知っておくと予算を立てやすくなります。
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イラスト制作費:3万円〜20万円
Live2Dモデルの基盤となるイラストの制作費用です。Live2Dで動かすことを前提に、パーツごとに細かく分ける必要があるため、通常のイラスト依頼よりも高くなる傾向があります。
基本的なキャラクターイラスト(全身、基本表情)の相場は依頼先によって、以下のように異なります。
- 個人クリエイター:3万円〜5万円
- 制作会社:15万円~20万円
さらに、有名イラストレーターや高品質を求める場合は、10万円を超えることもあります。
イラストはパーツ分け前提のPSDデータとして制作され、表情差分・衣装差分があると以下のとおり追加料金が発生することが一般的です。
- 表情差分の追加(3〜5パターン):約1万円〜3万円
- 衣装差分の追加:約1万円〜5万円
- 小物・アクセサリー追加:約5,000円〜2万円
イラストはモデルの印象を決定づける重要な要素のため、予算の許す範囲で品質の高いイラストレーターに依頼するのがおすすめです。
Live2Dモデリング費:1万円〜30万円以上
イラストをLive2Dで動かせるよう設定するモデリング作業の費用です。技術的な専門性が高いため、経験豊富なモデラーへの依頼が重要です。費用の目安は以下のとおりです。
- 基本的なモデリング(目・口の動きのみ):1〜5万円
- 標準的なモデリング(基本表情+簡単な体の動き):5〜15万円
- 高品質モデリング(複雑な表情・髪の動き・衣装の揺れなど):15〜30万円以上
Live2Dのモデリング費は、モデラーのスキルレベルと実装する機能により変動します。
基本の動作(顔の傾き・口パク・まばたきなど)だけでなく、高度な動き(体の回転、複雑な揺れもの)を追加すればその分費用が上がります。
また、表情パターンの数、揺れもの(髪、服、アクセサリー)の複雑さ、体の可動範囲などによっては追加料金が発生する場合もあります。依頼前に必要な機能を明確にし、複数のモデラーから見積もりを取り比較検討することが重要です。
VtuberのLive2Dモデル制作の依頼先
Live2Dモデルの制作を依頼する際には、主に「制作会社」と「個人クリエイター」2つの選択肢があります。予算や求める品質などの希望に合わせて、最適な依頼先を選ぶことが、満足のいくモデル制作につながるでしょう。ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
制作会社
制作会社はLive2D制作に特化したチームを持ち、高い技術力と豊富な実績で安定した品質が期待できます。納期管理やアフターサポートが充実しているため、企業のプロモーションや本格的なVtuber活動に向いています。
メリット
- チーム体制による高い技術力と品質管理
- 企画段階からの総合的なサポートが受けられる
- 納期の確実性が高い
- アフターサポートや修正対応が充実
デメリット
- 個人クリエイターより費用が高額(15万円〜50万円程度が一般的)
- 細かな仕様変更や修正の柔軟性は個人クリエイターに比べやや劣る場合がある
制作会社への依頼は、高品質で安定した制作を求める場合や、重要な企業案件に対応したい場合などに最適です。
プロのVtuberとして本格的に活動したい方や制作後の運用、活動全体まで一貫してプロに任せたい方にもぴったりでしょう。
デジタルギアでもVtuberモデルの制作を行っています。デジタルギアの広報Vtuber「トルクちゃん」を代表として、後藤真希さんのVtuber3Dモデルである「ぶいごま」など多数の制作を手掛けています。
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個人クリエイター
個人のイラストレーターやモデラーに直接依頼する方法は、コストパフォーマンスに優れ、細かい要望に柔軟に対応してもらえるのが特徴です。趣味レベルや個人活動でのVtuber制作に向いています。
メリット
- 制作会社に比べて比較的安価
- 直接やり取りできるため細かな要望を反映しやすい
- クリエイターの個性や独自の表現が活かせる
- 修正対応が柔軟なことが多い
デメリット
- スキルや経験にばらつきがある
- スケジュール管理が不安定な場合がある
- アフターサポートが限定的なケースもある
依頼前にはポートフォリオや過去の実績をよく確認し、可能であれば制作進行状況の報告や修正対応方針を事前に確認することが重要です。
費用を抑えて、VTuber活動を始めてみたい方なら、個人クリエイターへの依頼も検討しましょう。
VtuberのLive2Dモデルの動かし方
完成したLive2Dモデルを実際に動かし、Vtuberとして配信するには、いくつかの設定が必要です。正しい手順で進めれば、自然で魅力的なVtuber配信を実現できます。
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Live2Dモデルを動かすプロセスは、以下の6つのステップに分かれています。
- モデルファイルを用意する
- トラッキング対応ソフトをインストールする
- カメラ・トラッキング設定を行う
- モデルをソフトに読み込む
- 表情・モーションの調整を行う
- OBSなどの配信ソフトと連携する
順番に解説していきます。
モデルファイル(.moc3、.jsonなど)を用意する
まず、Live2D Cubismで作成されたモデルファイル一式が必要です。通常は、以下のファイルがセットで提供されます。
- .moc3(モデルデータ)
- .model3.json(設定ファイル)
- テクスチャ画像ファイル
これらのモデルファイルには、キャラクターの形状データ、動きの設定、テクスチャ画像、表情やモーションの情報などが含まれています。トラッキングソフトで読み込むために必要な形式で出力されているかを確認しましょう。
ファイルの破損や不備を防ぐために、受け取ったファイルは必ずバックアップを取り、フォルダ構成を維持したまま保存しておくことが大切です。
トラッキング対応ソフトをインストールする
次に、Live2Dモデルに対応したフェイストラッキングソフトをインストールします。現在、最も人気があり、多くのVtuberに推奨されているのは、「VTube Studio」です。
VTube StudioはSteamから無料でダウンロードでき、基本的なトラッキング機能は無料で利用できます。有料版(1,520円)では、画面にあるウオーターマークを消して、より多くの表情設定やカスタマイズ機能が利用可能になります。
その他の選択肢として、「Animaze」、「nizima LIVE」「3tene」などもあります。Live2D対応状況や更新頻度を考慮すると、VTube Studioが最も安定しています。
nizima LIVEは無料で手軽に始めたい人に、3teneはMacユーザーや多様な機材を使いたい人におすすめです。
カメラ・トラッキング設定を行う
Webカメラまたは iPhone(Face ID搭載モデル)をPCに接続し、顔認識のためのトラッキング設定を行います。モデルが自然に動くようにするには、カメラの設置場所や照明の調整するなど、環境を整えることが重要です。トラッキング環境のポイントは、以下のとおりです。
- カメラは顔正面の目線高さに設置
- 顔に均等な光が当たる照明を使用
- 背景は単色かコントラストのはっきりしたものが望ましい
- 顔からカメラまでの距離は50cm〜100cmが適切
iPhoneを使う場合は、「iFacialMocap」などの専用アプリをインストールし、PCとの連携設定が必要です。これらの適切な環境設定を行うことで、トラッキングの精度が大幅に向上し、より自然な表情でモデルを動かせます。
モデルをソフトに読み込む
準備したLive2Dモデルファイルをトラッキングソフトに読み込みます。VTube Studioなら、モデルファイルをアプリの画面にドラッグ&ドロップするだけで簡単に読み込めます。
モデルの読み込み後は、キャラクターが画面に表示され、カメラからの入力に合わせて動き始めます。読み込んだ直後は設定が最適化されていない場合があるので、次のステップで微調整を行いましょう。
もし読み込みエラーが発生した場合は、ファイルが破損しているか、対応していないバージョンであるか、フォルダ構成に問題がある可能性が考えられます。その際は、モデルの制作者に確認してみるのがおすすめです。
表情・モーションの調整
モデルが動き始めたら、自分の顔の動きに合わせて、モデルの動きや表情の感度を調整します。これは個人の顔の特徴や表情の癖によって異なるため、細かくカスタマイズすることが大切です。特に、以下の点を詳しくチェックしましょう。
- まばたき、リップシンク(口の動き)、髪や服の揺れなどをチェック
- まばたきの頻度、口の開閉感度、顔の傾き範囲、表情の強弱をカスタマイズ
- 配信中によく使う表情やポーズをホットキーに割り当て、スムーズに切り替え可能に
設定は個人の顔の特徴や表情の癖に応じて最適化する必要があるため、時間をかけて丁寧に調整することが、自然で魅力的な動きを実現するコツです。
OBSなどの配信ソフトと連携する
最後に、トラッキングソフトとOBSなどの配信ソフトを連携し、実際の配信環境を構築します。
VTube StudioからOBSへの映像出力は、「仮想カメラ機能」を使用して行います。OBS上でVTube Studioの画面をキャプチャし、背景の設定、画面のレイアウト、音声設定などを配信向けに調整しましょう。
配信を開始する前に、必ずテスト配信を行って動作確認をしてください。解像度やフレームレート、エンコード設定なども最適化することで、視聴者にとって見やすく、魅力的な配信環境が完成します。魅力的なVtuberは二次創作やファンアートの題材にもなりやすく、ファンコミュニティの活性化にもつながります。
VtuberのLive2Dモデル制作の注意点
Live2Dモデル制作で失敗を避けるためには、事前に知っておくべき重要な注意点があります。Live2Dモデル制作では、初期設計の段階での決定が最終的な品質に大きく影響します。後からの修正は困難で追加コストも発生するため、これらの注意点を事前に理解し、しっかりと準備しましょう。
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パーツ分けを最初にしっかり設計する
Live2Dモデルがどれだけ自然に動くか、そしてどれだけ豊かな表現ができるかは、元となるイラストのパーツ分けの質で決まります。後からの修正は困難なため、最初にしっかりと設計することが重要です。
- 髪は前髪・後髪・サイドなど動きに合わせて最大限に細分化
- 目は上まぶた・下まぶた・瞳・ハイライトまで細かく分ける
- 重なり部分や隠れるパーツもしっかりと描き込む
パーツ分けの設計ミスは、モデリング段階で発覚することが多く、イラストの大幅な修正が必要になる場合があります。イラストを描く前にモデラーとしっかり話し合い、動きに必要な要素が漏れないように確認しましょう。仕様書を作成して、パーツ分けの方法やファイルの名前の付け方なども事前に統一しておくと、制作がスムーズに進みます。
解像度・キャンバスサイズに注意
Live2Dモデルの画質は、元となるイラストの解像度に依存します。配信時の拡大表示でもぼやけないよう、十分な解像度で制作することが重要です。
解像度が低すぎると拡大表示でぼやけるため、推奨はキャラの全身で4000~8000px程度(キャラの全身)で制作することです。特にVtuber用途では、顔アップや全身を大きく動かす場合に余裕を持たせるため、大きめに作る傾向です。
解像度は3000pxでも配信画質としては十分な場合が多いですが、ガチ恋距離(顔アップ)や左右に大きく動かす場合は4000px以上が推奨されます。
解像度が低すぎると、配信時の画質劣化が目立ち、プロフェッショナルな印象を損なう可能性があります。一方で、解像度が高すぎるとファイルサイズが大きくなり、トラッキングソフトでの動作が重くなる場合があります。実際に使う環境とのバランスを考えて、適切な解像度を設定しましょう。
表情差分や揺れものの設計も最初に決める
表情のバリエーションや髪・服の揺れなどの動的要素は、モデリング開始前に全体設計を決定しておく必要があります。最初に決めておく要素には、以下のようなものがあります。
- 基本表情(無表情、笑顔、困り顔など)
- 感情表現(怒り、驚き、照れなど)
- 特殊表情(ウィンク、あっかんべーなど)
- 髪や服、アクセサリーの揺れの物理演算設定
これらは後から追加すると、モデル全体の再調整が必要になる場合があります。
最初の段階で必要な機能をすべてリストアップしておくことが重要です。もし将来的に追加したい機能や表現があれば、この時点でモデラーに相談し、拡張しやすい設計にしてもらうのもよいでしょう。
モデリングとイラストの連携を意識
イラストレーターとモデラーが別々の場合、両者の連携不足により制作に支障が生じることがあります。
トラブルを防ぐためにはイラストを描く前に、モデリングに必要な情報(パーツ分けの指示、表情やモーションの要望など)をまとめた詳しい仕様書を作成し、イラストレーターとモデラーの両方で共有することがとても重要です。
さらに制作の進捗状況を定期的に確認し、何か問題が発生した場合はすぐに話し合えるよう、密にコミュニケーションをとることも大切です。また、パーツ分けの方法、ファイル形式、命名規則なども事前に統一しておくことで、スムーズな制作進行が可能になります。
不安な場合は、イラストからモデリングまで一貫して対応してくれる制作会社に依頼するのもおすすめです。連携不足によるトラブルを防ぎ、高品質なモデルをスムーズに制作できるでしょう。
商用利用・著作権の取り決めを明確にする
Live2Dモデルを使用したVtuber活動において、商用利用権や著作権の取り決めは後のトラブルを防ぐために重要です。
- 使用範囲(個人利用・商用利用・二次創作の可否など)
- 著作権の帰属(依頼者、制作者、共有など)
- クレジット表記の有無
- 改変や再配布の可否
これらを契約書に明記し、収益化配信や商品販売、企業案件での利用予定があれば、追加料金や条件を事前に話し合っておきましょう。
VtuberのLive2Dモデルに関するよくある質問
Live2Dモデル制作や使用に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
このセクションの目次
Q1. Live2Dモデルと3Dモデルの違いは何ですか?
A. Live2Dモデルはイラストのタッチを活かしつつ、軽快で滑らかな動きを実現できるのが特徴です。初心者にも扱いやすく、PCへの負荷も比較的低いため、配信や動画制作に向いています。一方、3Dモデルは360度自由な角度から見ることができ、複雑なポーズや動きを表現できますが、制作コストやPCへの負荷が高くなります。
Q2. 自分でLive2Dモデルを作ることはできますか?
A. はい、可能です。ただし、Live2D Cubismの習得やイラストのパーツ分け、モデリング技術が必要です。初心者はテンプレートや練習用モデルから始めるのがおすすめです。Live2D Cubism Editorは無料版も提供されており、公式チュートリアルやコミュニティの情報も豊富です。ただし、自然で魅力的な動きを実現するには練習と経験が必要なため、重要な用途では専門家への依頼も検討しましょう。
Q3. Live2Dモデル制作の納期はどのくらいですか?
A. 個人クリエイターなら2〜4週間、制作会社なら1〜2ヶ月が一般的な納期です。イラスト・モデリングを別々に依頼する場合はさらに日数がかかることがあります。
納期は制作内容の複雑さ、クリエイターのスケジュール、修正回数などにより変動します。急ぎの場合は追加料金で対応してもらえることもありますが、品質を重視する場合は余裕を持ったスケジュールで依頼することが大切です。
Q4. Live2Dモデルは商用利用はできますか?
A. 依頼先によって異なります。商用利用や著作権譲渡には追加費用が発生することが多いため、契約前に必ず確認しましょう。
多くの制作者は個人利用を前提とした価格設定をしており、商用利用には別途ライセンス料が必要な場合があります。収益化配信、企業活動、商品販売などでの使用を予定している場合は、事前に使用範囲を明確にして契約することが重要です。
Q5. Live2Dモデルを動かすために必要な機材は何ですか?
A. WebカメラまたはiPhone(Face ID対応)、PC、トラッキングソフト(VTube Studioなど)があれば動作可能です。より自然な動きを求める場合はiPhone+専用アプリの利用が推奨されます。
最低限の環境であれば、Webカメラ(5,000円程度)とVTube Studio(基本無料)があれば始められます。より高品質なトラッキングを求める場合は、iPhone XS以降のFace ID搭載モデルとiFacialMocapアプリ(約1,000円)の組み合わせがおすすめです。
まとめ:Live2Dで自分だけのVtuberになろう
Live2Dモデルは、2Dイラストの魅力を保ちながら生き生きとした表現を可能にする技術です。キャラクターの親しみやすさやかわいらしさから、幅広い年齢層に人気で、VTuberアバターとしても最適です。
Live2Dの制作から配信まで一連の流れを理解することで、魅力的なVtuberとしての活動を始められます。制作は、まず企画を立て、イラストを描き、それをモデリングして動きや表情を設定し、最後に配信環境を整えるという流れで進みます。それぞれの工程でしっかり準備することが、Vtuberとしての成功への鍵となるでしょう。
Live2Dモデルは自分で作ることも、プロに依頼することも可能で、予算やスキルレベルに合った方法を選べます。YouTubeやTwitchなどのプラットフォームでVtuberの人気がますます高まる今、Live2Dモデルは個人でも気軽に始められる、とても魅力的な選択肢といえるでしょう。
あなたも、自分だけのオリジナルキャラクターと一緒に、Vtuberとして新しい可能性を探ってみませんか?

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まずはプロに相談してみませんか?